2019年度も先行技術調査等の費用を補助してくれる制度がありますよ
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
今年度も、先行技術調査や特許マップ(パテントマップ)の費用を補助してくれる制度(中小企業等特許情報分析活用支援事業)がありますので、今回はそれについて書きます。
中小企業等特許情報分析活用支援事業の公募サイトはこちら
この事業は、中堅・中小・スタートアップ企業等が「研究開発」「出願」「審査請求」の各段階で、応募企業の取組段階に応じて特許情報の調査・分析を行い、その結果を応募した企業に提供するものとなっています。
さて、この事業ですが、次の者が対象となります。
- 中堅・中小・スタートアップ企業、個人事業者
中堅・中小・スタートアップ企業において、単独の大企業が1/2以上出資、複数の大企業が2/3以上出資の場合は対象外です。 - 中堅・中小・スタートアップ企業等から構成されるグループ
※構成員のうち中堅・中小・スタートアップ企業者が3分の2以上を占め、中堅・中小・スタートアップ企業者の利益となる事業を営む者 - 地方公共団体
- 公設試験研究機関
- 都道府県等中小企業支援センター
- 商工会議所や商工会等の経済産業団体
- ものづくり組合等の生産者事業協同組合
- 大学、高等専門学校、高等学校等の教育機関、等
申請手続は、①「事業構想~研究開発・出願段階」と、②「審査請求段階」とに分かれており、①については採択基準(評価項目・観点)が定められ、公表されています。
したがって、①に申請する場合には、可能であれば加点がもらえるように申請書を作成した方が良いと思います。
そして、採択されると、無料でパテントマップを作成してもらえたり、費用の一部を負担することによって先行技術調査を行ってもらえることになります。
ちなみに、②では、独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)が64,800円を負担してくれるので、本来は、「負担した費用 + 64,800円」分の先行技術調査を行ってくれることになります。
お得ですね!
以前から多数の特許出願をしている企業であれば、それらの特許化の手続きを行う過程で、大体の先行技術の動向を把握できていると思います。
しかし、あまり特許出願を行っていない企業の場合には、そのような機会がないため、先行技術の動向を把握していないことが多く、特許になる可能性がどれくらいあるかよく分からないのが実情ではないでしょうか?
また、パテントマップを作成していない企業が大多数ではないでしょうか?
そのような場合には、是非この制度を活用してください!
特許分析会社から提出される先行技術調査報告書を読むことにより、無駄な審査請求をしなくても済むかもしれません。
また、先行調査報告書に記載されている情報を踏まえて、新たな特許出願を行うことができますので、全く無駄になることはありません。
最低でも10,800円の利用者負担がかかりますが、それ以上の成果を得られるのは確実です。
さらに、パテントマップを得ることができれば、どのような方向で技術開発を行えばよいかの指針を得ることができると思います。
是非この制度を活用して、自社が開発している技術の周辺の状況を把握してください!
弊所でもこの制度を積極的に活用して行こうと考えています。
今日は以上です。