「国際競争力強化に向けた日本企業の法務機能の在り方研究会 報告書」が公表されました

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

国際競争力強化に向けた日本企業の法務機能の在り方研究会 報告書の表紙

引用:国際競争力強化に向けた日本企業の法務機能の在り方研究会 報告書

2019年11月19日に、経済産業省より「国際競争力強化に向けた日本企業の法務機能の在り方研究会 報告書」が公表されましたので、今回はこれについて書きます。

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この報告書は、「パートナー機能」と「ガーディアン機能」としての法務機能について、「事業の創造」つまりは「価値の創造」に重点を置く観点からの可能性を明らかにするとともに、特に組織運営の改革・改善や人材の育成・獲得の在り方に関し、求める法務機能を実現していくためのより具体的な方策・選択肢、フレームワークを提案することを目的として作成されました。

ここで、本報告書では、パートナー機能とは、「法的リスク管理の観点から、経営や他部門の意思決定に関与して、事業や業務執行の内容に変更を加え、場合によっては、意思決定を中止・延期させるなどによって、会社の権利や財産、評判などを守る機能」と説明されています。

一方、ガーディアン機能とは、「経営や他部門に法的支援を提供することによって、会社の事業や業務執行を適正、円滑、戦略的かつ効率的に実施できるようにする機能」と説明されています。

さて、この報告書の内容ですが、次のような目次となっています。

  1. 第1章 本報告書のねらい~前回報告書とその後の展開~
    1. 法務機能を強化する必要性
      1. ガーディアンとしての法務機能の必要性の高まり
      2. パートナーとしての法務機能の必要性の高まり
    2. 前回報告書に対する反応と本報告書のねらい
      1. 前回報告書に対する反応
      2. 本報告書のねらい
    3. 検討の体制
  2. 第2 章 「事業(価値)の創造」に向けた法務機能の可能性
    1. 前回報告書での議論
    2. 「事業(価値)の創造」に向けた法務機能の在り方のメッセージ
      1. 「事業(価値)の創造」に向けた法務機能の在り方
      2. 法務機能に含まれる3つの機能
      3. 法務機能を発揮するための潜在的な障害
      4. 法務機能を発揮するための手段
  3. 第3章 法務機能の実装の方法
    1. 変化に対応した継続的な取組の必要性
    2. 基本的な考え方
      1. 組織の抜本的な変革(トップダウン型の実装)
      2. 組織の漸進的な変革(ボトムアップ型の実装)
    3. 法務機能を発揮するための具体的な実装の方策の例
      1. 法務機能を発揮するためのビジョンの設定
      2. 法務機能発揮に関する現状把握
      3. 法務機能を発揮するための方針決定・開示
      4. 法務機能を発揮するためのリソースの強化(人材を除く)
      5. 法務機能を発揮するための体制整備
      6. 現状・方針の再評価
  4. 第4章 法務機能を支える人材(経営法務人材)の育成・獲得方法
    1. 人材像と課題
      1. 人材像を巡る議論
      2. 求める人材の育成や獲得の方策を検討する必要性
    2. 基本的な考え方
    3. 具体的な育成・獲得策の例
      1. 適材を示す
      2. 適材を育てる
      3. 適材を獲得する
  5. おわりに

詳細は、この報告書を読んでもらえばと思いますが、例えば法務人材に関して、次のような提言が記載されています。

『法的な専門性を武器とする者は、新しい技術や事業に触れた際には、単に既存のルールや解釈を当てはめるのではなく、当該ルールの趣旨・経緯や時代の変化を踏まえて、当該ルールが予定していなかった領域でどこに線を引くべきかをよく検討し、新たな事業構想を実現可能なものとする(enable)努力をすべきである。特に、第4次産業革命が進展する現在にあっては、新規分野に挑む事業者は、ルールを所与のものとして受身的に捉え、ルールにコントロールされる客体ではなく、ルールを創造し得る主体になりつつあることに注目されるべきである。』

現時点で、このようなことを行える人材はなかなかいないのかもしれませんが、法務人材としては、このような能力を有する人が求められることになるのかもしれませんね。

そして、このような人材を育てるにはどうすればよいかという点については、次のように記載されています。

『企業は「この人をどう処遇するか」と人基準の発想ではなく、「自社の法務機能のあるべき姿から必要な能力と配分を逆算し、それを担える適材を業務に充てる」という、業務基準の発想も備える必要がある。』

このようなことを実際に行うには、相当の社内改革を行う必要があるかもしれません。

しかし、このような法務機能について、経済産業省が報告書を公表するということは、今後法務機能の充実が競争力の1つの要素になると経済産業省は考えているのではないでしょうか?

弊所では、単に特許・商標を出願するだけではなく、これらをどのようにビジネスに活用すべきかのご相談も承っております。
法務機能の外部化を検討される際には、弊所に是非ご相談ください。

今日は以上です。