日英包括的経済連携協定が署名されました

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

イギリスの国旗2020年10月23日に、「包括的な経済上の連携に関する日本国とグレートブリテン及び北アイルランド連合王国との間の協定」(以下「日英包括的経済連携協定」)への署名が行われましたので、今回はそれについて書きます。

日英包括的経済連携協定は、英国が、ブレグジットにより英国がEUから脱退したため、日EU経済連携協定(日EU・EPA)の恩恵を受けられなくなることから、日本および英国の双方が日EU・EPAと同様の恩恵を受けられるようにしたものです。

この協定により、日EU・EPAで日本が得ていた利益を継続し、日系企業のビジネスの継続性を確保することができることになりました。

さて、この協定の内容ですが、上述したように、日EU・EPAと同様の恩恵が得られるように規定されています。

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例えば、知的財産については、次のような事項が規定されています。

  1. 特許、商標、意匠、著作権および関連する権利、地理的表示、植物の新品種、営業 秘密および医薬品等の開示されていない試験データその他のデータ等の知的財産 を対象とする。
  2. 日英双方とも既に高いレベルの知的財産保護制度を有しているところ、これらの 知的財産について、WTO協定の一部である「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定」(TRIPS協定)よりも高度、または詳細な規律を定める観点、並びに日 EU・EPAの規定をベースとしつつ、更なる効果的な保護を確保する観点から、知的財産に関する制度の運用における透明化、知的財産権の行使(民事上の救済および刑事上の制裁に係る権利行使、国境措置に係る権利行使)、協力および協議メカ ニズム等について規定し、もって、知的財産権の保護と利用の推進を図る内容となっている。
  3.  地理的表示(GI)について、農産品および酒類GIの保護のための双方の制度と保護の対象を確認し、TRIPS協定第23条と概ね同等の高いレベルでの相互 保護を規定する(日EU・EPAで保護の対象となっていた日本GI(55産品)および英国GI(6産品)を国内手続を行った上で引き続き保護する旨規定している)。
  4. 日EU・EPAとの主要な相違点として、悪意で行われた商標の出願の拒絶・登録の取消しの権限に係る規定、知的財産権侵害に対する刑事上の制裁およびデジタ ル環境における権利行使に係る規定等を新たに設けている。

これらを見ると、知的財産に関する事項については、日EU・EPAと比較して、より高度な保護を得られることが分かると思います。

ちなみに、特許、商標および意匠の登録手続については、次のブログに書いたように、大きな変化はないと思われます。

知的財産以外の事項については、大きな影響を及ぼす可能性がありますので、日英包括的経済連携協定の内容について確認しておくことをお勧めいたします。

弊所では、ブレグジット以後の英国への特許、商標、意匠に関するご相談も承っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。

今日は以上です。