「新たな育種技術を用いて作出された生物の取扱いについて」のHPが公開されています

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

農林水産省のWebサイトに、「新たな育種技術を用いて作出された生物の取扱いについて」のHPが作成され、公表されていますので、今回はそれについて書きます。

「新たな育種技術を用いて作出された生物の取扱いについて」のHPはこちら

遺伝子に関する技術が発展し、現在、いわゆるゲノム編集が行われるようになってきました。

その結果、ゲノム編集等の技術を用いた農産物も育種されるようになったため、農林水産省もこれらについて、国民に広く知らせる必要があると考えて、このHPを作成したのではないかと思います。

さて、このHPですが、現時点(2021年1月)では、次のようなコンテンツが掲載されています。

  1. 使用される方へ ーゲノム編集技術の利用に必要な手続きについて
    1. 一般的な使用(いわゆる開放系における使用)に当たっての手続・様式
    2. 拡散防止措置を執って使用(いわゆる閉鎖系における使用)に当たっての手続・様式
    3. 手続が終了し提出された農林水産物のリスト
  2. 一般の方へ ―ゲノム編集技術などの新たな育種技術の解説やカルタヘナ法との関係について
    1. 新たな育種技術について
    2. ゲノム編集技術により作出された生物とカルタヘナ法との関係
    3. 中央環境審議会における議論
    4. カルタヘナ法上の整理及び取扱方針について
    5. カルタヘナ法の対象外である生物の情報提供等について
    6. 農林水産分野での使用における手続
    7. 手続が終了し提出された農林水産物のリスト
  3. 共通のお知らせ ―ゲノム編集技術に関する意見交換会などのイベントについて
    1. ゲノム編集技術を用いた農林水産物を考えるシンポジウム(Web会議)
    2. ゲノム編集技術を利用して得られた食品等に関する意見交換会
    3. ゲノム編集技術の利用により得られた生物に関する生物多様性影響等検討会

この他に、環境省、文部科学省、経済産業省、厚生労働省、独立行政法人農林水産消費安全技術センター、消費者庁への外部リンクが掲載されています。

各項目については、各ページをご覧になっていただければと思いますが、このHPには、ゲノム編集技術の利用により得られた生物の情報提供の手続が詳細に記載されています。

ゲノム編集技術の利用により得られた生物を、一般的な使用(いわゆる開放系における使用)をしようとする場合、当該生物の開発者や輸入者等は、その使用に先立ち、農産安全管理課に事前相談を行い、その内容について確認を受けた上で情報提供を行い、使用を開始する必要があります。

一般的な使用(いわゆる開放系における使用)に当たっての手続のフローチャート

引用:新たな育種技術を用いて作出された生物の取扱いについて(農林水産省HP)

一方、ゲノム編集技術の利用により得られた生物を、拡散防止措置を執って使用(いわゆる閉鎖系における使用)をしようとする場合、当該生物の使用者は、一定の要件を満たす場合を除き、その使用に先立ち、農産安全管理課に拡散防止措置確認書を提出し、その有効性等について確認を受けた上で使用を開始する必要があります。

拡散防止措置を執って使用(いわゆる閉鎖系における使用)に当たっての手続のフローチャート

引用:新たな育種技術を用いて作出された生物の取扱いについて(農林水産省HP)

今後は、ゲノム編集などの技術を使って育種された植物が増えてくると思われます。

そのような植物を使用する場合には、上記の手続を行う必要がありますので、ご注意ください。

ちなみに、現時点(2021年1月)において、情報提供書が提出された農林水産物としては、一般的な使用等に、サナテックシード株式会社のGABA高蓄積トマトが掲載されており、この植物に対する農林水産省の確認結果の概要も掲載されています。

ゲノム編集を使って育種された植物は、品種登録の対象になりますが、特許の対象にもなり得ます。

弊所では、ゲノム編集を使って育種された植物の知的財産に関するご相談も承っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。

今日は以上です。