対特許庁手続における本人確認について

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

令和3年10月29日に、特許庁から「署名の本人確認措置について(令和4年1月1日以降の運用変更)」というプレスリリースが公表されたので、今回はそれについて書きます。

「署名の本人確認措置について(令和4年1月1日以降の運用変更)」はこちら

結論から言うと、令和4年1月1日以降において、押印を存続する手続(偽造の被害が大きい手続)の手続書面および証明書類に押印する印は、印鑑登録されたものに限定されます。ご注意ください。

すなわち、法人であれば、押印を存続する手続(偽造の被害が大きい手続)を行う場合には、原則、代表取締役印での押印が必要となり、個人の場合には印鑑登録された印鑑での押印が必要となります。また、その印鑑証明書の提出も必要となります。

まあ、以前は、いわゆる三文判であってとしても、その押印による手続が認められていたこと自体が不思議だったのですが。。

なお、国内企業や日本に住んでいる方であれば、押印の上、印鑑証明書を提出すればよいので問題はないのですが、外国企業等から署名の委任状を提出して、出願人名義変更届、移転登録申請書に必要な証明書類(権利の承継を証明する書面として、譲渡証書等)代理を行う場合には、別途「署名の本人確認」が必要になります。

具体的には、次の4つの方法のうち、何れかを用いて「署名の本人確認」をする必要があります。

  1. 申請書等に譲渡人又は譲受人の代理人である弁理士又は弁護士による「譲渡人等の意思確認をした旨」の記載

    出願人名義変更届サンプル

    引用:特許庁HP

  2. 署名の真正性に係る認証(面前認証、自認認証等)付譲渡証書の提出
  3. 署名証明書の提出
  4. 譲渡人本人が特許庁に来訪した際に本人確認ができた場合(パスポート等)

実務的には、1の方法が最も使われるのではないかと思いますが、代理人となる弁理士や弁護士は責任が伴うことになるので、代理人は注意が必要です。

なお、今回の署名の本人確認措置に関し、次のようなQ&Aも記載されています。

  1. (1)譲渡人等の意思確認済みの記載について、弁理士(弁護士)は、譲渡人等に意思確認ができない場合であっても記載してもよいですか。
  2. (2)譲渡人等の意思確認済みの記載を【その他】の欄の記載をするのに当たり、留意すべき事項はありますか。
  3. (2)署名の真正性に係る認証(面前認証、自認認証等)付譲渡証書とはどのようなものでしょうか。
  4. 過去に(1)から(4)のいずれかの証明書等の提出をした者であっても、新たに申請書等を提出し、署名をした譲渡証書を添付する場合には、(1)から(4)のいずれかの証明書等の提出が必要になりますか。
  5. 申請書等の【その他】の欄に、譲渡人の意思確認について記載すれば良いとされていますが、譲渡証書の譲渡人欄に、『譲渡人本人○○○○の署名に相違ありません』のような記載があり署名がされている場合、本人の意思確認済みの譲渡証書であると認められますか?
  6. 令和2年12月28日以降の手続でも、署名証明書が無い譲渡証書で手続が認められていましたが、運用が変更されたのは何故ですか?

日本の企業および個人にとって、今回の運用の変更は、代表取締役印を押す内部手続の負担増加や印鑑証明書の提出等が義務化されますが、それほど大きな運用の変更にはならないのではないでしょうか?

むしろ、弁理士や弁護士への責任が増えた気がします。。

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今日は以上です。