中小企業の知的財産戦略を考える際に役立つ資料1

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

以前のブログで、「特許権を所有している会社あるいは活用している会社の売上高営業利益率は、特許権を所有していない会社よりも高い。」ということを書きましたが、これと似たようなことが書かれた資料を発見しましたので、それについて書きます。

今回紹介する資料は、東京商工会議所がまとめた「中小企業の戦略的知的財産活用に関する調査報告書」です。

この資料は、東京都内の中小企業に対して知的財産活動に関するアンケート調査を行い、その結果をまとめて考察したものです。
このような調査報告書は今まであまりなかったので、貴重な資料になると思います。

この資料によれば、『売上が増加傾向にある企業ほど、技術やノウハウを「経営に活用できている」企業割合が多い』となっています。

具体的には、次のような割合のようです。
売上増加傾向の企業のうち、技術やノウハウを「経営に活用できている」企業の割合は77%
売上減少傾向の企業のうち、技術やノウハウを「経営に活用できている」企業の割合は44%

さらに、技術やノウハウを「経営に活用できている企業」は「提案力」を強みとしている割合が高く、「経営に活用できていない(活用したい)企業」は、「短納期」「低価格」を強みとして挙げる割合が高いようです。オセロのイラスト

ここからは個人的な感想ですが、(独自)技術力やノウハウを経営に活用できている企業は、それらの強味を活かした提案を行い、クライアントが抱えている問題を解決していることが多いと感じます。だからこそ、価格競争に巻き込まれず、売上(利益)を伸ばすことができているのかもしれませんね。

一方、(独自)技術力やノウハウを経営に活用できていない企業は、なかなか差別化することができないため「短納期」や「低価格」を強味としているのかもしれません。
もちろん、「短納期」で他社と差別化できるのであれば、価格競争に巻き込まれず、売上(利益)を伸ばすことができると思います。

ただ、「低価格」を強味とすると、価格競争に巻き込まれる可能性が高く、売上は伸ばせても利益を伸ばすことができなくなる可能性が高いと思います。

中小企業は大企業と比較して体力がありませんので、価格戦略を採用しない方がいいのではないでしょうか?
(中小企業が撮るべき戦略は、マイケル・ポーターの3つの基本戦略のうち、価格戦略ではなく、差別化戦略か集中戦略だと言われていますし。)

私見も入っていますが、この資料からは様々な情報や知見を得られると思いますので、一度目を通してみては如何でしょうか?

さて、次は、技術力やノウハウを活用するにはどうすればよいかということになりますが、それは次回のブログに書きたいと思います。

今日は以上です。