中小企業が大企業に対抗できる唯一の武器とは?-3

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

以前のブログ1およびブログ2で書いてきましたが、株式会社島野製作所とApple社との間で東京地方裁判所で争われていた特許権侵害訴訟の判決(平成26年(ワ)20422号)が出たようですので、報告します。裁判所?のイラスト2

結論としては、島野製作所の請求棄却ということになったようです(島野製作所のプレスリリースはこちら)。

その判決書はこちらです。

判決書によると、請求項における「押付部材」の文言解釈が問題となったようです。
裁判所はこの文言が明細書に一切記載されていないと認定しており、明細書の記載と出願経過を考慮すると「押付部材」は「」に限定解釈するのが相当と結論付けています。
(ちなみに、被告製品は「押付部材」に対応する部分の形状が「マッシュルーム形状」となっているようです。)
この結果、対象特許権の構成要件の一部を満たさないとして請求棄却になったようです。

島野製作所は、現在顧問弁護士と控訴するか協議しているようですので、もし控訴したらまたウォッチしていきたいと思います。
(控訴期間は、原裁判所の判決の送達を受けた日(平成28年3月17日)の翌日から二週間(14日)ですので(民事訴訟法285条1項)、控訴する場合には4月1日までに島野製作所は控訴しなければなりません。)

日本でにおける特許権侵害訴訟で勝訴となる確率は、やはり低いようですね。
ちなみに、日本での特許権侵害訴訟(2012年)における勝訴率は23%(米36%、独63%)のようです。
侵害訴訟等における特許の安定化に資する特許制度・運用に関する調査研究報告書

今日は以上です。

追記:島野製作所のHPからプレスリリースが削除されたので、それに合わせてリンクを削除(2018/8/5)