「インターネット上の著作権侵害(海賊版)対策ハンドブックー中国編-」をご存じですか?

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

文化庁から、「インターネット上の著作権侵害(海賊版)対策ハンドブックー中国編-」が公開されていますので、今回はこれについて書きます。

インターネット上の著作権侵害(海賊版)対策ハンドブックー中国編- 表紙
引用:インターネット上の著作権侵害(海賊版)対策ハンドブックー中国編-

「インターネット上の著作権侵害(海賊版)対策ハンドブックー中国編-」はこちら

このハンドブックは、以前このブログで紹介した「インターネット上の著作権侵害(海賊版)対策ハンドブック―総論編―」に記載されている国内における「共通の対応」を実施しても奏功しない場合において、各国ごとに具体的な法制度およびそれに基づく権利行使等を調査し、取りまとめたものです。

さて、このハンドブックの内容ですが、次の目次となっています。

  1. 中国著作権侵害の概況
    1. 海賊版の概念
    2. 中国におけるコンテンツ市場・海賊版の概況
  2. 海賊版情報の調査・検索方法
    1. 海賊版の発見
    2. 調査方法の具体例
    3. 海賊版調査対策の相談先
  3. 権利行使方法
    1. 権利行使の全体像
    2. 削除要請
    3. 警告状送付
    4. 行政摘発
    5. 刑事摘発
    6. 民事訴訟
    7. その他の侵害対策
  4. 裁判例・実際の権利行使事例等
    1. 行政摘発事例
    2. 刑事摘発事例
    3. 民事訴訟事例
  5. 著作権・著作隣接権の内容
    1. 著作権・著作隣接権の内容
    2. 権利制限規定
    3. ISPの責任
    4. 2020年著作権法改正
  6. 総括

この目次を見れば分かるように、このハンドブックには、中国での海賊版に対する権利行使対策が具体的に記載されています。

例えば、海賊版の発見については、次の表が掲載されており、各調査方法について具体的に解説されています。

オンラインノンフィジカル・配信・ストリーミングサイト、ファイルストレージサイ
ト、リーチサイト等を対象に調査
・配信プラットフォーマーとビジネス関係がある場合は、
協力関係を築き、海賊版の情報提供を依頼
フィジカル・EC サイト等を対象に調査
・EC サイト等の事業者とビジネス関係がある場合は、協
力関係を築き、海賊版の情報提供を依頼
オフラインフィジカル・卸売市場、展示会、販売地域を調査
・代理店、ライセンシー、消費者等から情報を入手
・海賊版対策を管轄する当局と協力関係を築き、情報提供
を依頼
その他 冒認出願中国の商標局等のデータベース情報をチェックし、冒認出
願の有無についてモニタリング

このガイドブックでは、上記のような調査方法を用いて、「あらかじめ海賊版を発見するための方針・計画を立て、定期的に実行するとともにその結果を検証して次の対応に活かしていくことが重要と考える」と記載されています。

このような海賊版対策が丁寧に解説されています。

中国での海賊版対策で頭を悩ませている方は、是非このハンドブックをご覧になることをお勧めいたします。

弊所では、中国での海賊版対策に関するご相談も承っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。

今日は以上です。

この記事を書いた人

branche-ip