ライセンス契約書を作成する際に役立つ資料9

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

今回は、英文契約書(ライセンス契約に限りません)の紛争解決条項として仲裁を選択する際に役立つ、一般社団法人日本商事仲裁協会推薦仲裁条項をご紹介いたします。

紛争のイラスト語の契約書を作成する際に、紛争解決方法として仲裁を選択する場合には、この推薦仲裁条項を参考にしてみては如何でしょうか?
最近は、いろいろな英文契約書に関する書籍に仲裁条項が記載されておりますが、実際に仲裁を行う機関が作成した仲裁条項はきっと役立つと思います。

 

さて、ここからは少し話は逸れるかもしれませんが、裁判と仲裁の違いについて書きます。

日本では、紛争解決手段として裁判を希望することが多いので、契約書には裁判管轄条項が記載されることが多いです。

しかし、外国に本社がある企業とライセンス契約を締結する場合には、紛争解決手段として仲裁を選択した方が良い場合があります。特に、日本にある程度の資産のある支所がない企業との契約の場合には仲裁を選択した方が良いと思います。

お客さんと英文契約書の話をしていると、準拠法を日本法に、裁判管轄を日本の裁判所としておけば安心と思われている方が多いと感じます。

確かに、紛争が発生した場合に、日本人になじみのある日本法で、日本の裁判所で裁判を行うことは安心だと思います。

しかし、国際的な紛争を解決するためにはそれだけではダメなのです。一番重要なことは、裁判で勝訴した後、ちゃんと損害賠償等をしてもらえるかという点です。

日本の裁判所で勝訴したとしても、その効果はあくまで日本国内でしか意味がありません。すなわち、日本の判決を基に相手先の国で強制執行はできません(過去の判例で相互承認が認められている国は除きます)。

一方、仲裁の場合には、ニューヨーク条約(外国仲裁判断の承認及び執行に関する条約)が存在しており、この条約に加盟している加盟国間では、外国における商事仲裁についての仲裁判断が、他国の裁判所でも承認・執行できるということになっています。ちなみに、ニューヨーク条約には148の主要国が加盟しています(もちろん日本も加盟しています)。

したがって、強制執行の容易性という観点からは仲裁が良いと思います。ただし、仲裁の場合には、一発勝負という点がありますのでどちらが優れているかは一概には言えませんが。。

英文契約書を作成する際に、仲裁条項を検討してみては如何でしょうか?

なお、ライセンス契約等に不安がある方は、弊所にご相談ください。

今日は以上です。